明治時代、鴨川を渡る勧進橋のたもとにあった灯篭。その右には
牛車が走っていた頃の車石。閉校の小学校で見ることができます。
この道路を市電が走り、横には藍染川が流れていました。頭の中で
走る市電と川を思い浮かべ、当時と今を重ねながら歩きます。
車が頻繁に行きかう大きな道路に今も残る赤茶色い電柱2本。
市電が電気を引っ張ってきていた架線柱です。
大きな道路から1本入った道は旧街道。市電は昔、ここを走って
いたそうです。なにげない小道に時間を超える入口がありました。
勧進橋といえばここ。でも、昔はなんと旧勧進橋があったとのこと。
明治期の市電は旧橋を通っていました。ひそかに腰が抜けました。
古い地図では、この地点が木製の旧勧進橋があったところ。近くの
小さい草が生い茂る公園にも市電が走っていた記憶がありました。
竹田街道から分岐して稲荷線に入ったところ。昔は盛り土をして
線路を敷いていました。ちょうど家の2Fに市電の窓が来るくらい。
市電と京阪とが交差していたポイント手前にある公園。建物の方向
にまっすぐ市電が走っていました。左には当時の赤茶色い架線柱。
京阪の踏切を越えて1つ前の写真の建物の裏側に来ると、また同じ
ような公園。写真手前から奥に向かって市電が走っていました。
この公園を市電が走っていたことを示す、京都市交通局のマークが
入った標です。公園内にひっそりある市電の遺産。
公園を抜けると旧市電稲荷駅ホーム。手すりや敷石は当時のまま。
目を閉じ耳を澄ませば、市電の音が聴こえてくるかもしれません。
稲荷駅ホームの下、ほんの少しレールが出ています。なんだか
ずっとふれていたくなるような、往時へとつなぐ鍵のような…。
今回の旅でもらった古地図とスタンプ帳。シールに描かれた絵は
どこでしょう。心くすぐられる大切な旅の想い出。
先週行ってきた、
まいまい京都さんのミニツアー。ようやく写真が整理できたのでUPします。
「疎水つれづれ」で追記した稲荷線をもう少し調べてみようと思い、ネットでたどり着いたのは、
「京都市電の廃線跡を探る」というサイト。旧市電を各線ごとにたどることができ、時間を忘れて読んだのが先週のこと。そしてツアーをされることを知り、初めて行ってきました。
(※タブレット・パソコンの画面サイズで写真の下にプチコメントが表示されます)
ウィークデイは少し足取りが重たくなる私。でも廃線ツアー当日は、夫いわく「階段を降りていく足音がなんとまぁ軽やかやったこと」。
駅で集合し、ガイドさん・参加者の皆さま方とともに2時間の旅へ出発です。
市電の歴史がわかる資料や古地図をいただいて、ガイドさんの解説を聴きながら、市電が走っていたところを辿っていきました。聴かなければ、一生知ることができへんかったこと、意識して見ることができへんかったことが予想以上にあって、贅沢な時間になりました。
一言一句を全て頭にたたきこみ、メモや写真を撮って、夫へのお土産にしました。
それぞれの地域や地形には、長い歴史の中の記憶がたくさんあります。思い立ったら古地図片手に「そうだ、昔の○○、探しに行こう!」と、時を遡る旅に出るのもまた一興です。
前までは資料館や図書館でえらい頑張ってスキャンしていた古地図も、今やWEBで公開される便利な時代になりました。私たちにとって、古地図は冒険の地図。廃線跡を始め旧河川、お城の遺構を辿っていってみたいと思うています。