一日の締めのコーヒーのお話。

20200929_010041私たち夫婦、最近の贅沢は、夕食後にコーヒー豆を挽いて、デザートと一緒に愉しむことです。
きっかけは私のだいすきな漫画、
『舞妓さんちのまかないさん』

仕事道具以外で「これほしい!」と思ったのは2016年のピアノ以来。コーヒー道具一式を密林で揃えて、2か月が経過しました。


「コーヒーの儀」と名付けられた儀式は、すっかり夕食後に定着しつつあります。
(夜にカフェインとってどないするんと聞こえてきそうですが、コーヒーアロマで今のところ良眠です)

まずは、おやかんに汲んできた地下水を入れて沸かすこと4分。
その間は豆挽き。私がミルを両手で支え、夫がゴーリゴーリと豆を挽きます。
挽き終わった豆は、夫が必ずクンクンかいで「うん」と言ったら、フィルターに入れます。
沸かしたお湯をゆーっくりそそいで、豆を蒸らします。全体がモコモコと膨らみ、時折、ポコポコと音をたてる様子は毎日見ても飽きません。そして、カップにコーヒーを交互に抽出していきます。
たまには甘味も添えて。うちの名水コーヒーで過ごす夜中のひととき、贅沢を覚えてしまったうちらです。

つい最近は、お気に入りのコーヒー豆を見つけて、嬉しいです。
授産施設がしてはるカフェのブレンド、これはもう切らせません。
いろんなコーヒー豆を試す旅が始まったとこで、これからどんな豆に出会えるのか、ほんまに愉しみです。

親の家の片づけ・断捨離、空き家バンク登録のお話。

うちの祖父母、そしてUターンした両親が住んだ田舎の家、ようやく行政の空き家バンクに登録されました。
相続手続き、山のようなものの仕分けと搬出作業、クリーニング、再測量と未登記部分の登記作業…
途中、何度も挫折しそうになったり、落ち込むこともありましたが、心ある関連業者の方々、不動産会社と行政の担当者さんに支えられ、希望の方に内見していただくところまでこぎつけました。

特にお片付け業者の方々、伴走していただかないと私は本当にめげていました。本当にありがとうございました。

田舎の家に興味を持ってくれはった方、こちらのページに情報が掲載されています。
空き家バンクのページはこちらです。

山陰本線は1時間に1本。最寄り駅は徒歩15分。最寄りのスーパーは徒歩30分。市役所や一番大きいショッピングモールへは車で15分。交通は不便です。バスもありますが、やっぱり車はあったほうが良いです。

でも、最寄りの日本海へは徒歩10~15分。最寄りの水族館は車で10分です。
凪の日、夕日が海に道を作ります。山陰本線は電車ではなく、気動車(ディーゼル)で独特な音が聴けます。1~2両のディーゼルが海沿いを走ります。
冬は寒くてゴウゴウと海鳴りがしますが、星が思い切りきれいです。
畑も引き受けていただけるなら、自家製野菜も作ってもらえます。

そして、人的環境。その温かみを知ったのは、遠距離介護の時です。
ご近所さん、市役所の担当者さん、駐在さん…京都で仕事に追われる私が、認知症の母を引き取る環境が作れるまで、毎日代わる代わる見守りしてくださいました。遠距離介護が続けられたのは、インフォーマルな援助が大きいです。

思わず、いろいろと書いてしまいました。
家は住まなければ朽ちてゆくもの。引き継いでいただける方がいらっしゃるなら、そして、その方が笑顔で暮らしてくれはるなら、とても幸せです。

※物件に関しての窓口は行政ですが、この記事へのご質問は、お問い合わせページをご利用ください。私の及ぶ範囲で回答させていただきます。

DSC_1065

ちょっと復活しました。

かなりご無沙汰しております。
最近は今までの「いつも」がいつもでなくなり、心落ち着かない日々ですね。
皆さまの暮らし、できるかぎり、お変わりがありませんように…。

私はといえば…
コロナだからといって変わることもなく(予防には気を遣いますが)、仕事/介護/家事/資格の勉強の日々です。
ただ、ここ半年間は身体が言うことをあまりきかず、疲労度が半端なかったです。

最近、人生の大先輩に言われました。
「身体が言うことをきかないんじゃなくて、あなたが、身体からのサインに耳を傾けていないのよ」
自分の身体あっての仕事や介護。
長く続けていくためにも、足元の生活を見直さなあかんですね。

暮らしの中での、大切なもの、いとおしいもの、ずっと変わらずにいてほしいもの。
それらが作ってくれている「いつも」の日常。
感謝しながら積み重ねていきたいです。

追記
今年も行ってきました。地元の氏神様の夏越の祓。
家族の人数分の形代を納めて、茅の輪をくぐり、茅萱とお札をもらって帰ると、気持ちがしゃっきり。
日々の小さな祈りが暮らしにつながっていると感じる今日この頃です。
20200731_14202620200731_14162920200731_154556

京都での年越しのお話。

早いもので、2019年も終わりです。
今年は生まれて初めて、京都での年越しです。

これまでの年末年始は島根県の祖父母の家に帰省していたのですが、初めての帰省しない年末年始に感動しております。
ついでに「年末年始も出動可能です」と、普通に仕事ができることにも嬉しさを感じています。

20歳から島根への帰省=介護でした。京都に帰ると、インフルエンザや肺炎で苦しむこともしばしば。
それから20年の間に、祖父、祖母、父が逝き、今年から母を京都に引き取りました。
帰省がなくなり一抹の寂しさを感じるかと思いきや、感動のほうが大きかったのは、自分でもちょっと意外でした。

20191231_162552
今年の大みそか、行きつけの食堂で初めて年越しそばを注文しました。
おそばを、私と母と夫と食べたとき、長年味わえなかった安堵感みたいなものが、お腹に温かく落ちてきました。
自身の日常になかった年越しを、これからはゆっくり作っていきたいと思います。


20191231_204013その後は、行きつけの銭湯の一つ、呉竹湯さんへ。
ほんまに衝撃的なことに、大みそかで閉まわはることになりました…。
全ての光景を目に焼きつけていると、いろんな想いがお湯にとけてゆきました。
当たり前の日常が当たり前にあることが、本当に奇跡です。呉竹湯さん、長い間本当にほんとうにありがとうございました。20191230_212709


締め湯の後は、初詣。これまでは1月末にしか行けなった地元の氏神さんにご挨拶。
今年もいろんなことがあったけど、生きることができたことに感謝です。
皆さまにとって、2020年が平穏無事な一年でありますように。
20191231_201615

心も身体も温まる地元食堂のお話。

朝晩がめっきり冷えるようになった矢先、早速夫の風邪をもらってかなんです。
昨日は半日休で、仕事終わりに地元のおうどん屋さんに駆け込みました。
お昼をだいぶ過ぎていても、地元住民の足が途絶えません。

20191015_133402このお店は朝早うから毎日、カツオと昆布でお出汁をとってはります。その味と香りがこの世で一番すきです。
そして、この世で一番すきなメニューが「けいらん」。

たっぷりの溶き卵とお出汁のあん、生姜のすりおろしがのった、おうどんです。

ずっと前から変わらへん店内は、いつ来ても、心がほどける場所。
注文すると、ほどなくして、あっつあつの「けいらん」を運んできてくれはります。
立ち上る湯気とお出汁の香りは、どんな吸入薬にも勝る感じがします。
生姜を卵とじあんに混ぜ、おうどんと絡めたら、いつになく真剣に一口。
最初の瞬間から、身体が一気に吸収していくのが分かります。

お店に行くと、昔の患者さんを思い出したりもします。
「わし、もう一度、あの食堂のおうどん食べたいねん!退院したら、その足で行くんや!」
全身に癌が転移し全く食べられず、痛みは強いはずやのに、その言葉は笑顔でした。

当時の私は、ただ聞いて、強く頷くことしかできませんでした。
おうどん、ほんの少しでも、それが無理ならお出汁だけでも、とにかく食べてもらえるように何とかすれば良かったのに…。

いろんな人に、いろんな形でしみこんでいる、地元食堂のおうどん。
なによりも特効薬になると思うてます。

追記。
食べ終わったら、軒先で売ってはる、おはぎやお稲荷さんを買うて帰るのが楽しみ。
はす向かいの八百屋さんでは、おみかんも買いました。
風邪には「けいらん」と「おみかん」がよう効きますよ。