祇園祭と鱧のお話。

今年の梅雨はどこにいったんやろ…。
京都は早くもうだるような暑さになりつつあります。

私にとって京都の夏を告げるもんと言えば、祇園囃子と鱧。
お囃子の練習が聴こえる頃、店頭に鱧が並び出し、夏が始まる感じです。

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今年のお初の鱧は7月10日。ちょうど前祭りの山鉾立て(各町で山や鉾の組み立てが開始)の日ぃでした。
歯がするどく、見かけはこわそうな鱧さん。最初にこれを食べようと思うた人はすごいなぁと思いつつ、毎年、その上品な旨味に舌鼓を打っています。

まず、頭と骨はそのまま鍋に入れて、少しお酒をふりかけ、沸騰したお湯を入れて出汁をとります。ぐつぐつ煮出したら、火を止めてそのまま置いておきます。身は既に骨切りをしてくれたはるので、一口大に切り、片栗粉で薄化粧させます。(薄ぅーく、ほんのりお白粉がついているかなぁという程度です)


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それを沸騰したお湯に入れると、ふわあっと花が開いたようになります。身が固くなりすぎうちに引き上げて、すぐに氷でキンキンの水で引き締めます。


DSC_1216表面の水気をキッチンペーパーに吸わせて、鱧のおとしの出来上がり。
冷たいツヤっとした身には、梅肉を添えて。きりっとした冷酒がすすみますよ。
夏告げ鱧、スーパーで半額になってるのをねらいながら、秋口までしっかり愉しもうと思います。

ちなみに秋口からは産卵を終えた「なごり鱧」も出てきはるんですが、なかなかお目にかかれず、私の中では祇園祭からお盆の送り火までの特別なお魚やったりします。

お休みを作るお話。

昨晩は職場から駅に全力疾走。駅の入り口が陸上競技場のゲートに見えました。
駅員さんが腕をぐるぐる回して「急いでぇー!頑張ってぇー!」と言うたはるのも、ある種、応援に聴こえてしまいました。
最近、終電にすべり込みセーフ(または時々始発)な日々なので、もうちょっと余裕を持った大人になりたいもんです。

ちなみに終電に無事ゴールしたものの、安心してウトウトし、気がつけば終点ということも。
「電車も無ェ、体力も無ェ、こんな時に限って定期しか持って無ェ(=財布が無ェ)」と、吉幾三ふうに歌うしかなかったです。

そして最近思ったのが、お休みはあるもんではなく、自分で作るもんということ。
何も改まって言うことやないのんですけどね…。私は予定を仕事で詰めるくせがあり、休みも関係ない時が多いです。そしてたまの休みは積極的に愉しむというより、体力が切れて静止画像のようになっているほうが多いです。

まぁ意識をとばしてオフになれるのもかなり贅沢なんですが、たまには仕事以外の予定も入れて愉しみたいもんですよね。
で、とある日の午後、たまたま見つけたのがこちら
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雷雨で雨宿り出来るところを探していたら、天の采配とばかりにありました。オフに昼酒なんて…自然と口元が上がってしまいます。

カウンターでは、おねえさんと神奈川県からの2人組みと予想以上に話が弾みました。きっと今日の時間がなければ会うてへん人たち。記憶に残る休日になりました。

深夜食堂がやめられないお話。

最終更新のブログ、心が折れそうになったところで止まっていて、読者の方から「あれからどうですか…?」とメールを頂きました。ご心配おかけして申し訳ございません!大丈夫です、曲がりましたが折れてません。ご飯もちゃんと食べてますよ。

最近は「週のどこを切り取っても夜更かし」。寝る1時間前のご飯はよろしくないようですが、そんなこと言うてられへんので、思いきり夜中の1時2時に、朝食兼・昼食兼・夕食を頂いております。

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冷凍庫には有事の際のたんぱく源を入れています。この日は冷凍アジに救われました。
アジをさっと解凍、ドリップが出ないうちにさっと下味(※)をつけて、身の部分のほうにだけ片栗粉をまぶします。
(※お醤油、めんつゆ、チューブのすりおろししょうが、創味の焼肉のたれ←これはほんの少し。小さじ1杯くらいです。)
フライパンにごま油をしいて、中弱火~中火で皮目のほうからじっくり焼きます。
皮から出た油とごま油が合わさり、じゅうぅと香ばしいにおいが漂ってきて、両面がきつね色になったら出来上がりです。

まずは焼きたてあつあつのアジで一杯。
今日も生きていてよかった…。

締めは、たまごかけごはん。
この卵、朝の出勤前に仕込んでおいたもんです。白身と黄身にわけ、黄身のほうに出汁醤油(しょうゆ+めんつゆ)を適当にかけて、そのまま冷蔵庫に放り込んでおきます。
深夜には味がしみこんで黄身が少し縮み、半熟のような食感になります。これはぜひ、熱々のごはんと一緒にほおばってほしい一品。上から少し七味をふってもええですよ。白身は味噌汁の具に。
時間がなくて、卵1つしか仕込まず、夫と激しい取り合いになってしまったことだけが誤算でした。

たそがれ時のそぞろ歩きのお話。

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心が折れそうになることがありました。
まぁ、生きていればこんなときもあります。しかもたくさん。

こういうときに遅くまで仕事しても全然はかどらへんので、思い切って日があるうちに帰りました。
普段は降りへん駅で降りて、お気に入りの景色が見える場所でリチャージです。

お気に入りの川辺を散策しながら、飛行機雲をたどったり、鉄橋を電車がゆき過ぎるのをひたすら眺めていたりします。
近くも遠くもない距離には、猫さんたちがいて、その仕草を見るのも愉しみのひとつです。

歳を重ねて良かったと思えるのは、折れそうなときに、ぎりぎりまで曲がる術を、それなりに身につけてきていること。
心の芯には、葦や柳を育てておきたいなあと思います。

日が暮れたら、橋を渡って駅へ。この日の夕闇は少し夏色で明るく感じましたよ。

今晩の深夜食堂。

DSC_1176今日は、患者さんのご家族が手作り野菜をくれはりました。おとうさんが手塩にかけて育てはったじゃがいも、新玉ねぎ、今年初物のきゅうりです。
今日の深夜食堂のメニュー、フライドポテト・新玉ねぎの焼いたん・きゅうりそのまま丸かじり。


最近は夜中の1~2時に晩御飯が普通になってしまった私たち。午前0時を過ぎたあたりから揚げもん開始です。
レンジでチンしたじゃがいもを、フライパンできつね色になるまで素揚げしていきます。油の量は、じゃがいもの片面が少し浸るくらいで充分です。
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こんな感じで出来上がり♪
揚げたてのじゃがいもに塩を少しふりかけ、舌をやけどしそうになりながら、ハフハフといただきました。さくっと噛むと、ホクホクとしながら栗に似た甘味と食感があり、手が止まらなくなりました。

両面をこんがり焼いた新玉ねぎはポン酢で、きゅうりはそのまま冷やしてまるかじり。新鮮な素材に乾杯!の深夜食堂でした。