銭湯のお話

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のれんをくぐって、靴ばこの木のカギと入浴回数券を片手にカラカラ~と引き戸を開けます。
「おいでやす~」
番台のおばちゃん(または、おじちゃん)が笑顔で迎えてくれはります。仕事帰りのまま、スーツにリュックで行ったときは「お帰りやす~」。うちに帰った感じです。

私が行く銭湯のうち、1軒は昔ながらのつくり。昭和30年代くらいの面影そのままです。高い天井に程近いところに、往年の女優さんの大きなブロマイド(すぐ下にカレンダーの白い裏紙で女優さんの名前が書いてあります)があり、男女の脱衣室の間の壁の上には大きな招き猫が見守ってくれています。茶色い椅子に大きなヘルメット型のドライヤー、常連さんの柳行李、隙間なく貼られた貼り紙の数々。変わらずにあり続けたはることがありがたいです。

脱衣かごをロッカーに入れて、早速お風呂へ。この銭湯のお湯は地下水。置物の天使が抱えた魚の口からお湯がザバザバと流れていきます。飲んでよし、お風呂で浸かってよしの京都のマザーウォーターです。
タイル絵を見ながら、ゆっくりお湯につかっていると、いろいろな雑多ごとがふわ~っと昇華されていきます。特に行きつけの銭湯は親の故郷の風景そっくりの灯台と海原が描かれていて、最初見たときは驚きました。浴槽の底には魚が描かれ、こじんまりながらも愉しい演出がされています。
サウナは数分、手首につけた鍵が熱くならないうちに出て、仕上げにもう一度お湯につかって手や足をマッサージ。固くしぼった身体洗い用のタオルでよく拭いて上がります。

写真は私の銭湯セットです。
【入浴券】
10枚綴り4100円。200円お得です♪
【てぬぐい】
ストックしているさらしを切りっぱなしで使うています。水をよく吸い、乾きやすく、いざという時は包帯代わりにもなるので手放せません。
【白いミニタオル】
日中はハンカチとして使うています。これで体を洗います。
【アレッポの石鹸】
頭~つま先までこれ1つで洗います。髪の毛もきしみません。
【くし】
使うたらやみつきになったスカルプブラシ。
流すとき、洗うときに軽くブラシすると頭皮がほぐれて気持ち良いです。
【100均のタッパー】
これが洗面器代わりです。普段は石鹸とくしを入れて、てぬぐいで包んで持ち運びします。

ちなみにこのブログのタイトル「おぞよもん」は、学生の頃、銭湯で、ある常連のおばあちゃんと顔なじみになったとき、「うちのおぞよ持っていき」と言われたことがきっかけで、エッセイのタイトルにもしています。
(おぞよ、おぞよもんは、気の張らないいつもながらのおかずのことをいいます。)

帰りどき、番台さんに「今日もぬくもりました、おおきに~」と声をかけると、
「おおきに、おやすみやす~」。
帰りの引き戸は自動ドア。番台さんがさりげなく引き戸を開けて、閉めてくれはります。

この温もりが長く続きますように。

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