宇治川の鵜飼いに出会った日のお話。

出張先からの帰り、宇治川沿いをそぞろ歩いていると、薪が爆ぜる音とたき火のにおい。何したはるんやろう!と、だんだん早足になって川辺りに行ってみました。階段を下りると、そこは宇治川、大きな松明をかざした鵜飼いの船、それを囲む屋形船があり、ちょっと違う世界に来たみたいになりました。
日が暮れて、山の稜線が夜に染まっていく中、鵜飼いが始まりました。
鵜たちが女性の鵜匠さんの独特な掛け声、太鼓の音で水にもぐり、魚を飲み込みます。鵜匠がたくみに手綱を引いて、鵜を船に上げ、鵜が魚をくぃっくいっと喉から魚を出すと一斉に拍手が沸き起こります。

明々とした松明が川面に映えて、時折、木がばちっと爆ぜて火の粉が川にきらきらと降っていきます。じわっとした熱気、宇治川の流れる音と湿った川と草と焚火のにおい、ふと見上げた空には夏の大三角。
父親の初盆を控えている私にとっては、鵜飼いの松明がまるでにぎやかな迎え火のように見えました。

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