市民だよりでプチ旅を味わうお話。

 
仕事に追われてばかりやと干物がミイラになってしまうので、この間の休日は行政が発行している広報誌のイベントに参加してきました。
その名も「カモぅんウォーキング」。
琵琶湖疎水のひとつ、鴨川運河を歩こうというイベントです。
ボランティアガイドさんによる案内・タイムトリップマップもついたお宝資料付き、保険代で参加費は300円。

私は琵琶湖疎水が京都の風景の中でいちばんすきです。蹴上のインクラインや南禅寺水路閣、哲学の道(疎水分線)といったメジャーどころは閑散期にふらっと、第一疎水や鴨川運河は身近なお散歩コースとして愉しんでいます。
水のある風景はなんとなく非日常な感じで、せわしない心もゆるみます。お気に入りの飲みもんを片手に出かければちょっとした旅気分。

ガイドさんに連れられて、昔の地図や写真を元に今はないインクラインや水車道をたどり、淀川からの物資を積んだ十石船が運河を遡る様子も伺ったり…疎水にかかる多くの橋や現存する酒蔵を見ながらのプチ旅。たまの休日は古地図片手に、昔の京都の面影と重ねて旅することにはまりそうです。

今年いちばんの桜が咲いたお話。

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(←写真はクリックで拡大します)
今年も春の訪れをいち早く告げる桜が咲きました。
蕾の先が紅色に色づき、ほころんで来ていたので、とても愉しみにしていました。
咲いたばかりの桜は、寒空の中でおだやかに、でも凛としていました。

凍てつく日々が続いていたのに、毎年変わらず花を咲かせてくれる桜の古木。今年も咲いてくれてありがとうと嬉しい気持ちで幹をさすりました。

雪の早朝散歩のお話。

この土日は全国的に寒波で、京都も10㎝以上の積雪がありました。
土曜日は凍てつく空気の中、雪が降ったりやんだり。凍えて入った銭湯では「ほんま冷えるなぁ、かなんねぇ」「明日は積もるんとちゃうやろか」といった会話でもちきりでした。夜遅くまで風鳴りがしていましたが、丑三つ時を過ぎた頃は静かになりました。
そして日曜、不思議と静かなのが気になって窓を開けたら、しんしんと降り積もった雪景色。音がない白い風景を感じたくて、定期と携帯だけ持ち、夫のお布団だけかけ直して、早朝のお散歩に出かけました。

行先は伏見。雪の酒蔵の風景が見たくて足をのばしました。
誰も歩いていない真っ白な道は、どこか知らないところへ続いているような感じがします。時折、風の音と新雪のやわらかな音だけが響く不思議な世界でした。

帰りはこの季節によく行く酒屋さんに行って、京姫酒造の大吟醸酒粕を買いました。京姫酒造さんのお酒はほんのり甘くやわらかな口あたり。この酒粕で作る甘酒や粕汁はとてもおいしいんです。このお話は次回に続きます。

神様がくれはった、バスツアーのお話。

このところ私も夫も終電帰宅が流行っています。休日出勤も多いなか、最近の私たち夫婦の楽しみはJCOM京都みやびじょん。地元京都の番組がだいすきです。ちなみに、みやびじょんもインターネットも、うちの良心的な大家さんのおかげで享受しています。
最近はアウトドア志向になれへん分、観光地の京都も、路地裏の京都も、何度も見ては愉しんでいます。

そんな私たちに、ある日、JCOMさんからお電話が!なんと、だいすきな京都の街ぶら番組で企画されたバスツアーが当選したとのこと。
事態が理解できるまで絶句、理解してから軽く腰が抜けました。
一生懸命生きていれば、良いことがあるもんですね。

当日は番組作成の裏側も見れましたし、何より画面で見ていたキャストさんが間近にいはるんが非日常感たっぷりでした。
フリータイムでは嵐山や祇園周辺を散策。普段改まって行かへん場所を、この機会がなければ出会っていない人どおしで散策するのは不思議で面白く、またちがった色の京都を感じましたよ。
途中からはスペシャルゲストも参加、ラストは特別生ライブと、もう盛り沢山過ぎて夢のような一日でした。
今から思えば、シンデレラってきっとこんな感じやったんやろうと思うのです。

神様そして京都みやびじょんさんがくれはったバスツアー、今期最大級の嬉しい出来事でした。
みやびじょんを見れるようにしてくれはった、うちの大家さんにも感謝です♪

【リンク】
アナウンサーきゃなりんさんのバスツアーレポート
門松良祐さん(かどちゃん)の「♪京上ル下ル」

宇治川の鵜飼いに出会った日のお話。

出張先からの帰り、宇治川沿いをそぞろ歩いていると、薪が爆ぜる音とたき火のにおい。何したはるんやろう!と、だんだん早足になって川辺りに行ってみました。階段を下りると、そこは宇治川、大きな松明をかざした鵜飼いの船、それを囲む屋形船があり、ちょっと違う世界に来たみたいになりました。
日が暮れて、山の稜線が夜に染まっていく中、鵜飼いが始まりました。
鵜たちが女性の鵜匠さんの独特な掛け声、太鼓の音で水にもぐり、魚を飲み込みます。鵜匠がたくみに手綱を引いて、鵜を船に上げ、鵜が魚をくぃっくいっと喉から魚を出すと一斉に拍手が沸き起こります。

明々とした松明が川面に映えて、時折、木がばちっと爆ぜて火の粉が川にきらきらと降っていきます。じわっとした熱気、宇治川の流れる音と湿った川と草と焚火のにおい、ふと見上げた空には夏の大三角。
父親の初盆を控えている私にとっては、鵜飼いの松明がまるでにぎやかな迎え火のように見えました。