夏越の大祓の話。

氏神さんの夏越の大祓に行ってきました。深夜にもかかわらず、参道はずらっと行列。皆、芽の輪を8の字を書くように周り、お正月から7月末までのケガレを祓い、残り半年の無病息災を祈願します。
祈願した後は本殿にお参りし、人形代(※ひとかたしろ)を社務所に納め、茅の輪守をいただきます。
(※人形代は白紙で作られた形代です。まず形代に息を吹きかけ、それで身体をさすります。その後、名前・年齢を描き込みます。この形代がケガレを託した自身の身代わりになります)

茅の輪をくぐると1年の折り返し。
お正月からこの半年、無事に過ごせたことを感謝しつつ夏越の禊をし、心持ち新たに、今度は残暑から来年のお正月まで…。

20160802_085408昼間はうだるような暑さにのびきっていた私。でも、夏越の大祓から帰って茅の輪守を飾ると、これからまた半年に向けて力が湧いてきましたよ。

時を遡って、昔の京都を探す旅。

先週行ってきた、まいまい京都さんのミニツアー。ようやく写真が整理できたのでUPします。「疎水つれづれ」で追記した稲荷線をもう少し調べてみようと思い、ネットでたどり着いたのは、「京都市電の廃線跡を探る」というサイト。旧市電を各線ごとにたどることができ、時間を忘れて読んだのが先週のこと。そしてツアーをされることを知り、初めて行ってきました。
(※タブレット・パソコンの画面サイズで写真の下にプチコメントが表示されます)

ウィークデイは少し足取りが重たくなる私。でも廃線ツアー当日は、夫いわく「階段を降りていく足音がなんとまぁ軽やかやったこと」。
駅で集合し、ガイドさん・参加者の皆さま方とともに2時間の旅へ出発です。
市電の歴史がわかる資料や古地図をいただいて、ガイドさんの解説を聴きながら、市電が走っていたところを辿っていきました。聴かなければ、一生知ることができへんかったこと、意識して見ることができへんかったことが予想以上にあって、贅沢な時間になりました。
一言一句を全て頭にたたきこみ、メモや写真を撮って、夫へのお土産にしました。

それぞれの地域や地形には、長い歴史の中の記憶がたくさんあります。思い立ったら古地図片手に「そうだ、昔の○○、探しに行こう!」と、時を遡る旅に出るのもまた一興です。
前までは資料館や図書館でえらい頑張ってスキャンしていた古地図も、今やWEBで公開される便利な時代になりました。私たちにとって、古地図は冒険の地図。廃線跡を始め旧河川、お城の遺構を辿っていってみたいと思うています。

疎水つれづれ。

最近、夕暮れになると、ふるさとの段々の田んぼの中を抜けて山に上がっていく道をよく思い出します。駄菓子屋さんの50円くじであてたキーホルダーを指にはめ、山の麓の商店街で買うてもらったコロッケを頬ばりながら、母と一緒に山道を歩いて帰っていました。
いつもの道と思っていた道も、年を重ねるごとにセピア色になっていくのを感じる今日この頃です。

今の私にとって、慣れ親しんだ道のひとつは、疎水沿いの道。
鴨川、高野川、賀茂川、白川、琵琶湖疎水…京都には水が似合う場所がたくさんあり、住んでみたい場所もいろいろあります。
写真は鴨川運河の一部。京阪鴨東線沿いなので、電車が使えて軽く一杯飲める場所もある道です。そして、春は桜に夢中になっているうちに、だいぶ遠くまで来てしまう道でもあります。京の水縁は桜の名所が付き物ですね。
夕暮れどき、洗面器を持って銭湯に向かうおじいちゃん、「ほな、またなぁ」「あんたもあんじょうなぁ」と言い交わし、シルバーカーを押して帰るおばあちゃんたち、桜並木を見渡せる階段で話がつきない学生さんたち、川面を飛び交うこうもり…お馴染みの夕暮れの風景です。

今は季節もよく、今度、夫と一緒に休みをとって、この琵琶湖疎水をたどる旅を考えています。行ける日を楽しみに、また来週からも頑張ろうと思います。

(追記)
伏見稲荷神社の参道(左下の写真)です。
昔、京都市内一円を市電が走っていた頃、伏見稲荷神社に向かう「稲荷線」が走っていました。その終点、稲荷駅が右下の写真の広場。その敷石の下、草が生えている部分に当時の軌道の一部がほんの少し、顔をのぞかせています。軌道を直にふれながら、今の風景に昔の市電を重ねてみると、ちょっと時間旅行をしている気分になれますよ♪
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たまには外食を♪

いつもは内食かつ、コストもミニマムを意識していますが、1ヶ月もしくは2ヶ月に1度は外で贅沢してみたりします。
うちらは伏見のお酒がすきなので、前から気になっていた「伏水酒蔵小路」に行ってきました。
お店の最寄り駅で夫と待ち合わせ。これだけでもハレの日の感じがします。宇治川派流の柳が暮色に染まり、風にゆれているのを見ながらお店に到着です。各蔵の樽が並べられ、気持ちが高まります。

お品書きからは、17蔵の銘酒が利ける「粋酔(きっすい)」を1本釣り。夫と半分ずつしながらいただきますが、日本酒の好みだけは正反対のうちら。淡麗で辛口のお酒は夫が、アルコール度数少なめでフルーティーな飲み口のものは私が主にいただきました。
アテは同じ敷地内にある複数の屋台から出前される仕組み。おナスの炊いたんと唐揚げを注文しました。
17蔵の利き酒グラスを交互に選びながら、一口ずつ味わい、銘酒の感想をしゃべりあい、ゆっくりゆっくりほろ酔いの夜になっていきました。

この日はなんと、玉乃光酒造さんのみぞれ酒が解禁日でスペシャルイベントとして、ワライナキさんのライブがありました。ええお酒にCMでおなじみのアーティストさんのライブを間近で聴けて、手拍子が止まりませんでした。

ちなみにお会計は2350円。1人1200円弱です。たまにはハレの日を作って、こんな贅沢もありかなと思います。
それぞれの蔵の個性が気軽に味わえるので、今後はお気に入りの蔵酒1杯とアテを自分へのご褒美に、ちょっと大人の寄り道もええかもしれません。

お散歩がてら神事にふれたお話。

今年は数年ぶりに、連休が連休としてとることができました。5月5日は藤森神社で駈馬神事奉納。1年ぶりに再会した友人と「散歩がてら行こうか」と出かけてきました。

神事の前には近隣でお神輿が出ます。またお神輿の方々やご近所の接待用として、場所によっては、ビールやジュース、氷入り湧き水が頂けます。
神輿衆の氏子の方々の掛け声に手拍子し、最後はお接待の方々への手締めをすると、お祭りの一員になれたような気がします。

ビールも頂きましたが、まずは大きなカップ入りの冷たい湧き水で喉をうるおしながら、疎水沿いをてくてく歩いて藤森神社へ。
大勢の人が見守る中、乗り子さんたちが神社の参道を、様々な技で一気に駈け抜けていかはる様子を初めて見ました。通り過ぎるのは一瞬ですが、迫り来る蹄の音、蹴り上げた地面を舞う砂、乗り子さんと馬が一体となった技の数々・・・どれも目の奥に焼きつくものでした。

駈馬の後は、鼓笛隊、時代装束の行列と続き、時代祭を見ているかのようでした。
散歩に行って帰ってくるまでの間が、凝縮された濃いお祭りに満たされて、帰ってからも、熱気が自分の中でホコホコとしておりました。